佐藤工務店 神奈川・戸塚
東京の郊外。南側に広い公園があり陽当たりに恵まれた立地のため、光をふんだんに採り入れる大きな開口部を設けています。随所に木を使い、温もりを感じることができます。竣工からかれこれ10年ぐらいが経ちますが、今でもM様邸には時々訪れては様子をうかがったり食事をしたり懇意にお付き合いいただいています。
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ふんだんに使っている木は、木自体がもつ性質や醸し出す風合いなどで、使用する場所が決まります。
木には調湿機能があるので、四季があって季節ごとの気温や湿度が大きく変化する日本の気候風土にも合っています。調湿機能があるということは、当然湿度の変化によって木自体が伸縮します。真っすぐに伸びようとする木の性質上、山の斜面で少し曲がって成長した木が日本には少なくありません。成長の過程は年輪として蓄えられていますから、伐採されて製材されると、そうした木がもつ性質は「曲がり」や「ねじれ」として現れてきます。性質は木の種類によっても違います。木が生きてると言われる由縁です。それをきちんと見極めて、使う場所を決めなければ、湿気を含んで歪みが出たり腐朽が進んだり。逆に木の性質をきちんと見極める眼力をもって、その性質を活かして適切な場所に使えば、耐久性が高くて木の風合いが漂う素晴らしい家ができます。
M様邸では、檜を戸袋の表面に使用して高級感のある外観を強調しています。檜は日本固有の木で、弾力性があって強靱で、耐久性も高いという優れた性質をもち、木の王様だとも言われています。土台柱や通し柱、建具の重要な部分にも檜を使っています。熱が伝わりやすい建具の部分はすべて木製というこだわりよう。家全体の断熱効果を高めています。
檜と同じく耐久性が高くて歪みが少ない米松を化粧柱や小屋梁、登り梁などに使用しています。無垢の床材は、木曽の会社から松を取り寄せました。松は木目がはっきりしていて美しく、時間経過とともに風合いが出てきますけど、樹脂が出やすい面もあるので、使う際には注意が必要です。そうした木の性質を見極めた使い分けをきちんとして、M様邸は本格的な木造住宅になりました。木の梁を強調し、内装の白い壁は漆喰、和室には琉球畳を使うなど、和の雰囲気にもあふれています。
設計は田中敏溥(としひろ)建築設計事務所です。人と街と地球にやさしい家にこだわり、素晴らしい設計をする事務所です。家のデザインについて私はとても勉強になっていますし、木について質問を受けて答えたりする関係。私の会社の施工ではない家のことでも、たとえば建具の木の使い方について質問されて答えたり、懇意にしていただいている事務所です。
竣工当時のM様邸。立地を考慮して、自然との調和を感じる特徴ある外観です。南側の公園に面した開口部を全開にすると、穏やかな陽光と爽やかな風が入ってきます。
木の風合いをふんだんに採り入れ、漆喰の壁で仕上げた内装は、和の落ち着いた雰囲気を醸しています。気候のいい季節は、窓を全開にして心地いい風や光を採り入れることができ、自然を最大限に活かせる家です。
大きな窓から入る光は障子で柔らかい光に。床材は松。難しい素材なので見極めが重要です。ちなみにダイニングテーブルは設計事務所が、家の雰囲気に合わせてオリジナルで製作したものです。
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