佐藤工務店神奈川・戸塚




		Ｆ様邸は築年を重ね堂々とした風格のある邸宅になっていました。ただ、以前の間取りや建て付けでは住み心地に不満を感じておられ、年数が経っている分、耐震性にも不安を感じておられました。もっと住み心地よく、安心で快適な暮らしを希望され、ほぼ全面的にリフォームすることを決断されました。 ● 依頼があったのは設計事務所から。木造軸組のしっかりした家ですけど、リフォームにおいては、傷んで使えない木材としっかりしていて十分使える木材を見極めることが大事です。施工に入る前に、工法や木材の質にに精通していてしっかりと現状を見極め、豊富な経験と技術力をもって施工するこができる。そんな弊社だからこそ、依頼していただいたのだと自負しています。今回のＦ様邸については築年数が経過していたため、耐震性の観点からも、大きな柱を残してほとんどを改修することにしました。部分的に使える素材は残しましたけど、大まかに言えば、１階は基礎を残し、床もすべて取り除いてほぼ全面的に改修、２階もスケルトンの（床と主要な柱を残した）状態にして改修工事を実施しました。以前の間取りは、広い建坪をいくつもに仕切ってたくさんの部屋がありましたが、そのため通風性は高くなく、広々とした開放感もあまり感じられませんでした。Ｆ様の思い切った決断もあり、大胆な間取りに変更し、仕切りの少ないゆったりとした空間を実現しました。特徴はなんと言っても、ひとつの大空間でつながったＬＤＫです。以前の和室の場所を屋根と窓のついたインナーテラスにして、キッチン、ダイニングの両方からつながった空間にすることで、広さと通風性、採光性を高めた開放感の高い空間を実現しました。キッチンに立って料理をするときなども、移りゆく自然の風景を眺めながら豊かな気持ちになるかもしれませんね。また、ダイニングやリビングにいる家族との会話を楽しみながら料理をすることも容易になりました。インナーテラスには左の写真のようにアコーディオン式で折りたためる窓を取り付けています。気候のいい日などは、テラスにコーヒーテーブルなどコンパクトなテーブルを持ち出して、テラスの窓を全開にしてティータイムを楽しんだり、炭焼きのセットを持ち出して焼き肉を家族みんなで楽しむこともできます。日々の生活が今まで以上に楽しく広がりました。テラスの床にはセランガンバツを使用しています。マレーシア、インドネシアなど湿度の高い地域原産の木材で、強度・耐久性に非常に優れていて、水にも強くて腐りにくく、屋外で使用しても20年以上長持ちすると言われている木材です。室内１階の床にはアカシヤを多用しています。アカシヤは熱帯～温帯地域に広く分布する木材で、育成地域によって木材の性質も異なりたくさんの種類がありますが、耐久性の高い木材なのです。Ｆ様邸では、アカシアのなかでも高温多湿な日本の気候風土にあったものを使用しています。濃淡のある木目が、高級材として人気があるウォールナットに似ていて深みがあり、重厚で高級感のある雰囲気を醸し出しています。部屋数を減らして大空間にすることで、収納スペースの確保を心配される方がおられるかもしれません。左のキッチンの写真でもおわかりいただけると思いますが、もちろん収納スペースも豊富に確保しています。ちなみに、写真下の階段の踏み台はタモの集成材です。タモは美しい木目が特徴で、テーブル、カウンターやフローリング材としても多用される木材ですが、集成材にすることでさらに強度が増します。冒頭でも少し触れましたけど、Ｆ様は耐震性も気にされていましたので、壁には耐震補強を加え、大空間でも安心で快適に暮らせる、素敵な家になりました。
リフォームする前は、１階の和室やダイニングルームなどがそれぞれ壁で仕切られていました。開放感があってくつろげる空間にすることを望まれていました。


手摺りはあるものの電気を点けなければ暗くて危険を感じる階段など、リフォーム前には問題点を隅々まで細かくチェックしていきます。年数が経ってもしっかりした木材はできるだけ活かすようにしています。


１階の和室は取り除いてダイニングとキッチンから見渡せるインナーテラスにしました。テラスには全面開口の窓と屋根もついていますから、ダイニングとつなげて広々と使えます。

キッチンは対面式にして開放感をもたせました。料理をするのも楽しくなりそうですね。ダイニングはリビングともひと続きになっています。インナーテラスまでひとつの大きな空間が広がります。

以前は暗くて閉塞感があった階段も、室内側の壁を格子状の仕切りにして光が通るように。手摺りの代わりにもなり、室内全体の開放感も増します。
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